旬が同じであるタラバガニとズワイガニは、見た目や身の味はもちろん、美味しい部位や適した調理法もそれぞれ異なります。

寒い季節、特に年末年始の味覚の代表としてカニは日本人に好まれています。カニ通販の大手ネットショップなどでも、出荷数の90%以上が年末年始に集中しているほどです。茹でガニや焼きガニ、カニしゃぶなど、様々な調理法で楽しむことができるカニですが、数あるカニ中でタラバガニとズワイガニは高い人気があります。日本で食べるカニと言えば、タラバガニとズワイガニが有名ですが、これら2種類のカニには大きな違いがあります。

タラバガニとズワイガニはまずは見た目が大きく違います。タラバガニは体全体が大きく、足がとても太いのが特徴です。ズワイガニはタラバガニと比べると体のサイズは小ぶりですが、足が細く長いのが特徴です。この見た目の違いは、それぞれのカニが異なる分類に属することに由来しています。タラバガニはエビ目ヤドカリ下目タラバガニ科に分類され、分類上はカニではなくヤドカリの一種です。それに対して、ズワイガニはエビ目カニ下目クモガニ科に分類されますから、正真正銘、カニの一種ということになります。

私たちにとってはどちらもカニとして親しまれていますが、分類上はヤドカリとカニの違いがあるのですから、見た目で大きな違いがあるのも納得できます。ちなみにタラバガニと同じくヤドカリの仲間であるカニとしては「花咲ガニ」も有名になりました。こちらも美味で高級品として扱われることの多いカニですが、タラバガニと同じ分類ですからヤドカリの一種です。

また、タラバガニと茹でる前は見た目がほとんど見分けがつかず、よく間違われる「アブラガニ」もヤドカリの一種に分類されます。予備知識としては私たちが好きなタラバガニ、花咲ガニ、アブラガニはヤドカリの仲間となります。もちろん、消費者には関係ありませんし、味は美味しいです。

一方、ズワイガニでは私たちは「松葉ガニ」や「越前ガニ」をよく目にします。ズワイガニは品質の違いによって「本ズワイガニ、大ズワイガニ、紅ズワイガニ」に分類されており、その中でも最も高品質な本ズワイガニが獲られる産地によって松葉ガニや越前ガニというブランドで呼ばれています。

タラバガニとズワイガニは見た目と同様に、味にも大きな違いがあります。タラバガニは大振りな身が魅力的で食べごたえ抜群ですが、味はややタンパクです。ズワイガニは繊細で甘みがあります。そのため「カニを食べた」という満足感を得られるのはタラバガニですが、カニ本来のうま味をじっくり味わえるのはズワイガニという違いがあります。

タラバガニとズワイガニの大きな違い

タラバガニとズワイガニはどちらも日本人に好まれているカニですが、それぞれ異なる特徴を持っています。見た目や味の違いから適した調理方法なども異なるため、特にお歳暮やプレゼントで人に贈るときこそ、どのような違いがあるかを知っておいたほうが安心です。

タラバガニとズワイガニの違いで1番わかりやすいのが見た目です。タラバガニは体も足も大きく、足が太いのが特徴なのに対し、ズワイガニは体のサイズはやや小さく、足が細く長いのが特徴です。タラバガニの足は太く身が引き締まっているので、プリプリとした食感を楽しめて食べごたえがあります。それに対してズワイガニの足は細く身の量も少ないですが、非常に甘味のある身で、カニのうま味を存分に味わえるのが特徴です。両方とも脚は全て食べられますが、カニ味噌にも違いがあります。タラバガニは主に脚の部分だけを食べて、カニ味噌はほとんどないので食べることはありません。ズワイガニのカニ味噌は非常に濃厚で美味なので必ず食べられます。タラバガニとズワイガニは肉質の違いや味の違いがあるので、適した調理方法も異なります。タラバガニは大ぶりな身を楽しめますが味はやや淡白なので、そのまま茹でて食べるよりもカニ鍋にして食べる方が良いとされています。ズワイガニはカニ本来のうま味と甘みを味わいたいので、茹でガニやカニしゃぶでそのまま食べるのが適しています。あとは品質にもよりますが、最高級のタラバガニとズワイガニはどちらも価格差はさほどありません。ただし、同じ大きさで比較すると、タラバガニのほうが安価で購入できることが多いです。

現在ではインターネットの通販でタラバガニとズワイガニがセットになっている商品も多く、気軽に食べ比べができるので、以前よりも低価格でカニを楽しめるようになっています。